フィルス
イタリア・トスカーナ地方を代表する銘醸、ティニャネロやソライアを擁するアンティノリ社。そのアンティノリで醸造長を務め、後の活躍からも「天才エノロゴ(醸造家)」の称号を欲しいままとした人物にアルベルト・アントニーニがいます。
世界最大のワイン博、2003年のヴィネスポでは、世界中の関係者に衝撃を与えた高級イタリアワイン、テスタマッタの醸造指南も担う中、アルゼンチンを舞台に生み出すワインがこのフィリス。
フィリスは、1997年にグスタヴォ・カポネとアンブロ・ディ・レオの両者により設立されました。
幼少の頃よりワインに囲まれて育ったグスタヴォ・カポネは、伝統的なぶどう栽培を父親から継承し、やがては有名ワイナリーでぶどう栽培から醸造に至るまで携わることとなります。その一つが、アルゼンチンを代表するかの「トラピチェ」。後年、キャリアップを求めたカポネは、カリフォルニアに渡り、幾つかのぶどう畑で責任者として活躍します。
1992年、一時仕事を中断したカポネは、きたる自らのワイナリー設立を目論み、向かった先のニューヨークでMBAを取得。国際的な商業戦略の知識を得るなど、成功への準備も怠らずにいました。8年間の海外経験を終え、1994年にアルゼンチンへと帰国したカポネは、3年後の1997年に念願のワイナリーを設立するに至ります。
経営学を学んだ為でもあるでしょう。栽培から醸造までを実地で身に着けたカポネですが、ワイン造りは「大家」の手に託します。それが、アルベルト・アントニーニの参画。
以降、フィルスのワインは瞬く間に高評価を得る事となり、世界のワインが集まるサンフランシスコ・インターナショナル・コンペティションを始め、アルゼンチン・ワインアワードなどでも数々の受賞記録を重ねます。
現在、フィルスが手掛けるぶどう品種は、アルゼンチンが世界に誇るマルベック種を始め、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、トロンテス。それらワインは、「力強さの中にも優しく穏やかな雰囲気が漂う。ぶどうの特徴が余すところなく表現され、高貴な果実のみが持ち得る優雅さを兼ね備える。」と評されます。
世界的に最も名高い醸造家による気品高い味わいが、他には見られぬ価格でご堪能いただけます。