ワインをもっと身近に|ワインプラスワン(wineplusone) : ワインの生産者 : ポンジー・ヴィンヤーズ

ポンジー・ヴィンヤーズ

公明正大を標榜する「ワイン批評家の帝王」ことロバート・パーカー氏には、世界でただ一つ、出資者として携わるワイナリーがあります。運営は義弟のマイケル・エッツェル氏に任されますが、そのマイケル・エッツェルがワイナリーを設立するにあたっては、幾つかの高名な造り手で醸造を学びました。当時を振り返り、「一切の妥協を許すこと無く、仏・ブルゴーニュの第一級生産者達とも意見交換して辿り着いた。」と述べられますが、他の土地からオレゴン州ウィラメット・ヴァレーに移り住んだマイケル・エッツェルにとっては、土地の栽培特性を知る必要にも迫られたことでしょう。今では、高級オレゴン・ピノノワールの担い手として名が通るマイケル・エッツェル氏が、ウィラメット・ヴァレーで研鑽を積んだ先。それこそがポンジーです。当地のピノを語るにあたり、ポンジーの名は外せません。
ディックとナンシーのポンジー夫妻によるワイナリー設立は1970年のことでした。今でこそ、仏・ブルゴーニュ、カリフォルニア、ニュージーランドと共にある「ピノ・ノワールの世界四大銘醸地」、オレゴン州ウィラメット・ヴァレー地区ですが、当時は、「高品質ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方からのみ生まれる」と信じられていた時代。幾度もブルゴーニュへと調査に足を運んだポンジー夫妻は、その結果として「ウィラメット・ヴァレーこそが理想のピノ・ノワールが生まれる土地」と確信するに至ります。
やがて数年後の1979年から1980年にかけて、オレゴンにワイン産業が根付く象徴的な出来事が起こります。ゴーミヨ主催の1979年ブラインドテイスティング(目隠し試飲)においては、敵地(パリ)にありながらも、ブルゴーニュの格付け銘醸を向こうに回し、「世界の10本」に数えられたピノ・ノワールはオレゴン産でした。仏側の呼びかけに応じた翌1980年の再戦においても、相手を返り討ちとする第2位。やがてその結果を顧みたブルゴーニュの銘醸蔵は、オレゴンへの進出を決心するに至ります。
1970年より近隣のワイナリーと地道な努力を進めつつ、今では高品質ピノ・ノワール産地としての地位を確固たるものとしたパイオニアの一つとして、ポンジーの名が挙げられます。現在でも運営は専ら家族のみで行い、経営は息子のマイケル、娘のルイスが醸造を担い、もう一人の娘マリアが販売・マーケティングを担当。
ポンジーが手掛けるワインは、まさしくウィラメット・ヴァレーを代表するぶどう品種、ピノ・ノワールとシャルドネを筆頭に、冷涼な気候の恩恵を受け、北イタリアの高貴品種であるアルネイスやドルチェットからも定評あるワインを生み出しています。


Ponzi-Pinot-Willamette-Vall
ブルゴーニュ好きにすすめたい、熟成感のあるピノ・ノワール

ポンジー・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール ウィラメット・ヴァレー

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